彼女と私の見分けかた
カーテンをあけて顔をのぞかせたのは美月で、がっかりしながらもどこかほっとした。

「大丈夫?菜月」

「うん、ごめん病院までこさせちゃっ…」

いいかけている途中で、美月の背後から大きな手がカーテンを掴み心臓がドキンとはね上がった。

ちょっと…まって…どうしよう…私の動揺をすぐに理解した美月はにやにやしながらいっきにカーテンを開けた。

「あっ……叶くん…」

「はじめまして、でいいかな?
菜月ちゃんとして会うのは初めてだもんね」

柔らかな笑みにおもわずドキンとする。
うん、確かに美月が好きになったのがよくわかる。
私もこの容姿と穏やかな雰囲気は好きなタイプだ。

「どう?怪我は。痛むでしょ」

「今は大丈夫。
叶くんまで病院に来てもらってごめんなさい。
私の不注意でみんなに迷惑かけちゃって…」

ベッド脇に美月と叶くんが入ってきて、チラリとその後ろから服部くんも来るのではと叶くんの背後に視線をうつした。
そんな私の視線と落ち着かない気持ちに気がついたのか、目が合った叶くんはふわりと笑い私が気になっている人物の話をしだした。



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