彼女と私の見分けかた
「祥平、今、親父さんに菜月ちゃんの怪我の状態聞いてるからもうすぐ来るよ。

叶くんの言葉に心拍数が上がりだす。

「しっかしあんな焦ってる祥平初めてみたよ」

叶くんと美月が顔を見合わせ笑いだした。

「アイツ、すぐに駆け寄ってさ。バスケの顧問に『俺の大事なコだから今日親父が大学病院にいるからそこに連れて行ってくれ』って叫んですぐに親父さんに連絡してさ。
美月ちゃんは救急車に同乗したからしらないんだけど、テキパキ動いたくせにあのあと救急車で菜月ちゃん運ばれたらもう脱力して青い顔して狼狽え出してさ」

叶くんはその時のことを思い出しているのか肩を震わせ病室にいるせいなのか声を殺して笑っている。
うわっ!
こんな姿もめちゃくちゃ格好いい…そう思いながらちらっと美月を見ると、叶くんを見て頬をうっすら染めていた。

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