彼女と私の見分けかた
しゃがみこんでいる俺の髪に菜月ちゃんの手が触れた。

「…さらさら…」

髪に触れていたその手を掴み、しゃがみこんだまま顔を上げると目を細めて柔らかな笑顔で俺を見つめる彼女と…目が合った。
前髪をくしゃりとにぎりしめ、たぶん赤いであろう顔のまま俺も彼女を見つめ笑い返す。

「「ふっ」」

見つめ合って二人同時に笑みがこぼれる。

「ははっ。
なんか調子狂う。

学校ではクールっていうか、女の子は…苦手だからさ。
俺、普段はほとんど女の子と口きかないんだけど…。
菜月ちゃんとはいろいろ…話したい…。

ホントはさ、もっとカッコつけたいっていうか…。
それなのに俺、この間から情けなくて格好悪いとこしかみせてないよね…。
はぁ……」

がっくり肩を落として頭を下げると、握っていた手に力がこめられた。
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