彼女と私の見分けかた
「連絡先交換してくれる？

制服のポケットから服部くんは携帯を取り出したけど、気を失ったまま運ばれてきた私の荷物がどこにあるのかわからない。

キョロキョロあたりを見回す私にそのことに気づいた彼は携帯を高くかざして…肩を抱き寄せ顔を寄せた。

「‥‥っ！」

カシャっとシャッター音が耳に届く。

「もう１枚。はい、笑って」

カシャッ。

「ふっ‥顔‥真っ赤」

「はっ服部くん‼」

「ん？ほら、よく撮れてる」

近い距離のまま見せられた携帯には、頬を寄せて写る私達がいて‥。
私の顔はユデタコみたいに真っ赤で、服部くんは涼しい顔をして笑っていた。

「連絡先は次会うときまでがまんするから、とりあえず菜月ちゃんが俺の彼女っていう証拠」

そう言ってニコニコ笑いながら、服部くんは今撮った画像を待ち受けに設定した。

「‥‥ズルい‥」

「えっ？」

「私ばっかりドキドキしてズルい…。
‥‥なんか‥‥服部くん‥‥女の子とつっ付き合うの初めてっていうわりに‥‥女の子苦手っていってたくせに‥‥。

‥‥いろいろ…手慣れてる…」

もやもやした気持ちを口にして拗ねてそっぽをむくと、大きく息を吐いた服部くんがまた頭を抱えてしゃがみ込んだ。


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