彼女と私の見分けかた
私の突然の行動に、すぐに解かれた包容。

服部くんは目を見開き一瞬で顔を赤くして

「ずりぃ…不意討ち…」

口元を手のひらで覆い顔を背けた。

「あーっくそっ!!
…帰り…たくないな…。
このまま、俺もここにいたいな…」

顔を背けたまま、点滴をつけてベットに置かれた手を優しく握る。

繋がれた手は、お互いに熱い。

その時、不意にカーテンが開けられた。

反応できなかった私たちの手は、繋がれたままで、ニヤニヤして私たちを見ている美月と母に、服部くんはさらに顔を赤くし、前髪をくしゃりと掴むと繋いだ手を離すどころかさらにぎゅっと力をこめた。

大きく深呼吸した服部くんは母に向かい小さく会釈し口を開いた。

「はじめまして。俺、服部祥平っていいます!

お母さんっ!!

菜月ちゃんを俺に……

俺に菜月ちゃんをくだい!!」

「!!!」


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