彼女と私の見分けかた
申し訳なさそうに平謝りする服部くんのお父さんと、ふに落ちない顔をしながら一緒にしぶしぶ隣で頭を下げる服部くん。

「もう謝らなくていいですから服部先生も服部くんも。
頭を上げてください。

菜月をこんなに大事に想ってくれて、好いてくれているのが素直で真っ直ぐな男の子で正直私は嬉しいですよ」

母は服部先生にそう言うと、服くんに視線を向けてにっこり笑った。

「でも服部くん、ひとつだけ言わせてもらえる?」

「はいっ!」

笑顔をひっこめて、顔を引き締めた母にじっと見つめられ、直立不動の服部くんの喉仏が上下に動いた。

「いくら菜月が可愛くて我慢できなくても、これ以上は簡単に手をださないでね?
そうね…学生の間は清いお付き合いしてほしい、かな?」

「えっ……」

大きく目を見開いた服部くんが固まった。

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