彼女と私の見分けかた
予想どおり、朝練で先輩たちに囲まれた。

「服部、お前興味ないって言ってたくせにいつのまに女作ってんだよ!」

「なんだよ昨日のアレは」

「っていうかあの子ってさこのN女のこの子だよな」

先輩が手にして指差しているのは昨日発売した月バス!
バタバタしていて買うことをすっかり忘れていた。
……っていうか…菜月ちゃん!?

「!!!!」

先輩の手から奪うように本をもぎ取った俺は、開かれていたページを凝視したまま動きがとまる。

関東大会出場校一覧に載る注目選手。

すげぇ!!
俺が思ってたよりもずっと、菜月ちゃんは実力のある選手なんだ…。

「すげぇな。やっぱ昨日の子ってこの子だよな?」

集まってきたバスケ部員たちが開かれた月バスを覗きこむ。

「へー。藤咲菜月、菜月ちゃんねぇ。可愛いじゃん」

「おっ、まじ可愛いじゃん。
顔もだけど、菜月ちゃんって細身だけど結構スタイルいいな。胸もなにげにでけぇ……
うぉっ!!
服部っ!やめろっ!!

首っ!絞まってる!絞まってるから」
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