彼女と私の見分けかた
俺が想像していた騒ぎと違う…。

「気安く名前呼ぶんじゃねーよ!それに人の彼女エロい目で見るな!」

浮かれて緩んでいたはずの顔が、気を引き締めなくてもいつもの不機嫌で無愛想な俺に一瞬で戻る。

「は!?おい、その口のききかた生意気だぞ服部!」

3年とにらみ合う俺の手から、雑誌を取り上げたキャプテンが、雑誌で俺の頭を軽く叩きにらみ合っている3年頭も順番に叩いた。

「お前ら服部からかいすぎ。
こいつ、もてるくせに女の子に興味ないんじゃなくて、通学電車の女の子に入学してからずっと片想いしてたんだよ、な?」
 
「!?」

なんでキャプテンが知ってるんだ!?
叶しか知らないはずなのに…。

叶をジロリと睨み付けると、叶は"俺じゃない"と慌て首を左右にふる。

「ふっ。部員のことで俺が知らないことはないからな。

こう見えて純情で一途な奴の初カノだもんな?独り占めしたいのに…なぁ。
こんなのに載っちゃって気がきじゃないな、服部」

なんだよ…。キャプテンだってからかってるじゃないか。

でも、さっきまでの3年との険悪になった空気が払拭されてまた俺はみんなからからかわれる。

ホントに初カノなのかとか、一目惚れした経緯とか付き合うきっかけとか…。

この状態は朝練を終えて教室に行っても続き、そしてあんなに昨日俺と菜月ちゃんの関係が学校中にしれわたった筈なのに。

何故か今日は休み時間の度に、呼び出されてコクられた。

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