彼女と私の見分けかた
「うわっ!そうだっ!
月バス!!
菜月ちゃん月バスに載ってるじゃん!!」

「うん、らしいね。
友達から連絡きた。もう…見た…?」

「見たよ、朝イチで。
先輩に見せられた。すげー可愛く写ってる。
全国に菜月ちゃんが知れ渡る前に彼女にできてほんと、良かった。
はぁぁ。
でも、インターハイ決まったらまた注目選手で掲載されるんだろうな…。

菜月ちゃん、試合会場で他の男に言い寄られたりすんなよな」

「えー?ないない、キャプテンの追っかけファンとかはいるけど私に言い寄る物好きなんていないから」

「こほん、いるじゃんここに。
1年も片思いしてた熱烈なファンがさ。
あーっ、ごめん予令鳴ってる。
部活終わったらまた連絡する。
また、あとでね、菜月」

通話を終えた携帯の待ち受け画面に、そっと口づけたあと深呼吸して呼吸を整える。

頭ん中がすっかりピンクだピンク。
やっぱり今すぐ会いたいな。
菜月ちゃんのことを考えながら、なり始めたチャイムに急いで教室に滑り込んだ。
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