彼女と私の見分けかた
「すっごい顔ゆるっゆる」

席に戻ると藤咲にさっそくからかわれ

「しょうがないだろ。
菜月ちゃんの声聞いてきたんだから」

そう答えた俺は上機嫌で朝よりも顔が緩んでいるのは自分でもよくわかる。
嬉しいのだから仕方がない。
そんな俺を見て藤咲が軽いため息をつく。

「はぁ。
そんな顔朝からしてたらそりゃあ休み時間の度に女の子にお呼び出しされるゎ」

「…なんだよ、そんな顔って」

「服部ファンがほっとかない顔!
普段は話しかけるな近づくなオーラを放ってるのにニヤニヤニコニコしてる。
普段無愛想な奴が笑顔見せちゃうとイケメン度がアップするのが不思議!!不思議よね~」

そう言ってまじまじと顔を正面から見られ、一瞬心臓が跳ね上がる。

菜月ちゃんじゃないのはわかっていても、つい錯覚しそうになり、慌てて目をそらすとじっと俺をみている叶と目が合った。

あ……叶の奴、不機嫌だ。

周りの奴らは気がついていないが、小さい頃から一緒に育った俺にはすぐにわかる。

原因は藤咲…か?

叶の奴藤咲が好きなのか?

< 154 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop