彼女と私の見分けかた
閑静な住宅街に目的地はあった。

二階建てのこじんまりした病院は、駐車場ほ満車で自転車もたくさん止まっていた。

そしてその隣には、緑がたくさん生い茂った広いお庭に、私の家よりもはるかに大きな家…。

表札は　"服部"……服部くんの家だ。
「病院、ずいぶん混んでて人気みたいね。それに、想像より大きなお家ねぇ」

「……」

「お父さん有名な先生だもんねぇ。でも、気さくでいい先生だし、彼もすごくいい子よね」

にっこり笑うお母さんは服部くんのことを気に入ってくれているようだ。

「さっ、場所もわかったし帰りましょう。
家についたらすぐ退院したって服部くんに連絡するのよ？
あっ、美月にもね」

「うん」

服部くんの家から家まで車で15分弱。

電車だと一駅違うところから乗るけど、こんな近くに住んでたんだ。

そういえば早朝ランニングでばったり会ったっけ。

家に着くと、リビングのソファーにごろんと寝転び美月と服部くんにメッセージを送る。

『退院して今帰宅しました』と。

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