彼女と私の見分けかた
すぐに私の携帯が震える。

画面に表示されたのは服部くんの名前。

「えっ!!!」

それはメッセージの返信ではなく、服部くんからの電話だ!

ソファーから飛び起きて、慌てて通話ボタンを押し、階段をかけ上がってベッドに腰かけた。

はじめてする服部くんとの電話に緊張する。

「はいっ!はっ服部くん!?」

耳に飛び込んできたのは大好きな人の声。
嬉しすぎて倒れそうだ。

そういえば、昨日発売した月バスに私が載っていると友達からメッセージがあった。

服部くんも月バスを見たと私が掲載されたことを喜びつつ、全国に顔と名前が知れ渡ったことをすこし拗ねていた。

私はまだその本を目にしていない。

そうだ!

夕方本を買いに行きながら部活帰りの服部くんに会いに行こう!

驚いて…それからたぶん、会えたことを喜んでくれるだろう。

彼の会いたいという言葉に同調して、私の会いたい気持ちも大きく膨らむ。

電話口で "菜月" と呼ばれ、私も "祥平くん" と呼び、会いたい気持ちがさらに大きく膨らんでいく。

美月に連絡してこっそり叶くんに聞いてもらおう。

部活が終わる時間を。

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