彼女と私の見分けかた
いろいろ迷って、パーカーにジーンズ、額のガーゼが目立つので隠すために、スポーツブランドのキャップを被ったラフな服装で出かけることに決めた。

服部くんの部活仲間にも会ってしまうだろうから、スカートをはいて可愛らしい服装にしようかと鏡の前で何度着替えたことだろう。

でも…ちょっと違う気がした。

可愛らしい服装は、デートするとき、二人で会う時がなんとなく正解な気がした。

きっと服部くんも喜びながらも拗ねるような気もする。
それに、退院してすぐに学校まで会いに来て、気合いを入れてる姿を服部くんや友達に見せるのも恥ずかしい…。

お母さんにも会いに行くことがバレたくなくて、
「お母さん、ちょっと出掛けてくる。昨日発売した月バス買ってくる。今回ね、注目選手で載ってるんだよ」

と月バスを出掛ける理由でごまかそうとしたけれど、私を上から下まで見回すと

「あらっ！すごいじゃない！
でも…そんな男の子みたいな格好ででかけるの？
せっかく会うのにもう少しオシャレしていけばいいのに。まったく。

あんまり遅くならないうちに帰って来るのよ」

（バレてる…）

恥ずかしくて目を合わせることがてきなくて、帽子を目深に被り、

「いってきます」

と逃げるように家をでた。
< 161 / 207 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop