彼女と私の見分けかた

『着替え終わって今から学校でるって』

叶くんから連絡を受けた美月がメッセージをくれた。

本屋で時間を潰していたが、手にしていた月バスの会計を済ませて、T高の最寄り駅に足早に向かう。

もうすぐだ。

もうすぐ会える！

駅の改札につくと、深呼吸して気持ちを落ち着かせようとしていたのに、数メートル先の交差点。

T高の制服にスポーツバッグを肩からさげた背の高い男の子達が視界に入った。


いた…服部くんだ！

服部くんは私には気がつかず友達と笑顔で話ながら駅に歩いてくる。
まだ、気がつかない。

気がついたらどんな顔するんだろう。
にやけそうな顔で見ていると私に気がついた叶くんと目が…合った…。


「えっ……」

私に気がついた叶くんが、友達の輪からするりと抜けて私に向かって走ってくる。

叶くんの突然の行動に、一緒にいた友達はざわめき、そして…気がついた。

服部くんが……。

叶くんの後を追うように走り出した服部くんより、叶くんは一足先に私のもとに走りより

「藤咲…」

今にも泣きそうな顔でそう呟くと大きな腕がまるで壊れ物を扱うようにそっと優しく私のことを包みこんだ。
「
「叶くん！？」

突然の出来事にパニックになる。

なんで！？

なんで今私服部くんの目の前で叶くんに抱きしめられてるの！？