彼女と私の見分けかた
お互い恥ずかしくて、しばらく無言のまま手をつないで俯いていた。
ひとけのない、さっきより薄暗い公園。

'「はぁぁ。いろいろ話ししたかったのにだめだな俺。
余裕なさすぎ。次からはもっと気をつける」

「ふふっ、なんかいつも服部くんて謝ってるかおちこんでる」

あぁ、確かにそうだな。
恋愛初心者過ぎてテンパリすぎてるしカッコ悪いな俺。恥ずかしくてごまかすように話題をかえる。

「あー、だからそれっ!名前、服部くんは禁止な」

「うぅっ…祥平くん…」

「ははっやべっ、嬉しいや。
うん、もっと名前呼んで。そうだよな、ここからだよな。叶に嫉妬して先走りすぎた」

「えっ?」

「なんでもない。明日、学校は?」

「行くつもり。
いつもの電車に乗るけど…たっくん…」

「あぁ、たくに話してある。怪我すごく心配してたし、俺達のことも話してある。
たくのやつ俺も仲間に入れてくれるってさ。
3人で通学してくれるんだって。

邪魔者扱いされてんだけどお邪魔虫はたくだっつーの!」

隣で無邪気に笑う彼女の頭に、取り上げていたキャップをのせた。

これ以上手を出さないために。
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