彼女と私の見分けかた
バスケのこと家族なこと、楽しく話す時間はあっという間でもうそろそろ送り届けなければお母さんが心配するだろう。

取り出した携帯で時間を確認して、菜月ちゃんに顔を寄せて携帯を掲げた。

「今日の記念、撮ろっ。
会うたびに撮ろう。ははっ、死ぬまでに何枚撮れるかな。すぐメモリーいっぱいになるな。
ずっと、一緒にいよう、菜月ちゃん」

「うん」

菜月ちゃんも同じように携帯を取り出して写真を撮った。

嬉しそうに笑うこの笑顔はしっかりと今俺の心に焼き付けよう。

そして会うたびに、彼女の笑顔で俺の心の中もいっぱいにしていくんだ。

彼女を再び後ろに乗せて自宅に向かう。
車で母さんに彼女を送ってもらうためだ。
怪我をしているのに、陽が落ちた暗い中を長距離後ろに乗せて走るのはどうかと思ったからだ。

菜月ちゃんは母さんに会うことを戸惑っていたが、もちろん母さんはハイテンションだ。
夕飯を食べていけばとか、いつでも泊まりに来てね…とか。
夏休みには家族旅行に参加してとか。

このハイテンションなとこ、俺母さんに似てるな。
母さんに菜月ちゃんを取られて面白くなかったが、まぁ、二人が仲良く話してるところを見るのも悪くないな。

未来の嫁姑だな。

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