彼女と私の見分けかた
「今日はいろいろごめんな、祥平」
叶の言葉に頷くこともできない俺は、いまだに叶の顔を見ることができなくてこのあとに続く言葉を聞くのが嫌だった。
できることなら今日だけは、菜月ちゃんとの幸せな時間を噛み締めて眠りたかった。
「祥平、俺さ今までいろんな子と付き合ってきたけど結局どの女の子も特別って思えなくてさ。
好きで好きでその子のことで頭がいっぱいになる…そんなこと一度もなくてさ。
優しいなんて周りから言われてるけど全然優しくない、本当は酷い奴だよな。
自分でも最低な男だって思ってる」
’「そんなことないだろ。
優しいよ叶は。だってみんな叶の気持ちがそこにはないことを知っていて、それでもいいから彼女になりたがったんだろ。
自分だけは違う、自分は絶対に特別になれるそうおもいこんでさ。
特別になれなかったんだ、叶が気にする必要なんてないさ。
でも、まぁそんな付き合い方は褒められるもんじゃないよな」
意を決して叶の方に目を向けると、叶はベンチの上で膝を抱えて座り、その顔は月を眺めて今にも泣き出してしまうのではないかって言うくらい悲しい瞳でぎゅっと口を引き結んでいた。
こんな叶を見るのははじめてだ。
感情をさらけ出したコイツを見てみたいとは思ったが、こんな悲しい顔をしたコイツなんて見たくはなかった。
「月が…綺麗だな」
俺も叶と同じように月を見上げた。
月なんてどうだっていいんだ。
顔を見てほしくないっていう叶の言葉に従い
「あぁ、満月だな」
と返事をした俺も、夜空に浮かぶまん丸い月をぼんやりと見上げた。
叶の言葉に頷くこともできない俺は、いまだに叶の顔を見ることができなくてこのあとに続く言葉を聞くのが嫌だった。
できることなら今日だけは、菜月ちゃんとの幸せな時間を噛み締めて眠りたかった。
「祥平、俺さ今までいろんな子と付き合ってきたけど結局どの女の子も特別って思えなくてさ。
好きで好きでその子のことで頭がいっぱいになる…そんなこと一度もなくてさ。
優しいなんて周りから言われてるけど全然優しくない、本当は酷い奴だよな。
自分でも最低な男だって思ってる」
’「そんなことないだろ。
優しいよ叶は。だってみんな叶の気持ちがそこにはないことを知っていて、それでもいいから彼女になりたがったんだろ。
自分だけは違う、自分は絶対に特別になれるそうおもいこんでさ。
特別になれなかったんだ、叶が気にする必要なんてないさ。
でも、まぁそんな付き合い方は褒められるもんじゃないよな」
意を決して叶の方に目を向けると、叶はベンチの上で膝を抱えて座り、その顔は月を眺めて今にも泣き出してしまうのではないかって言うくらい悲しい瞳でぎゅっと口を引き結んでいた。
こんな叶を見るのははじめてだ。
感情をさらけ出したコイツを見てみたいとは思ったが、こんな悲しい顔をしたコイツなんて見たくはなかった。
「月が…綺麗だな」
俺も叶と同じように月を見上げた。
月なんてどうだっていいんだ。
顔を見てほしくないっていう叶の言葉に従い
「あぁ、満月だな」
と返事をした俺も、夜空に浮かぶまん丸い月をぼんやりと見上げた。