彼女と私の見分けかた
「うん、でもね、全力でいってもさ、美月にはいつもかなわないんだぁ」

肩をすくめて放ったシュートが綺麗な弧を描いてゴールに吸い込まれる。

うん、今日はかなり調子がいい。

「美月はさ、いつも素直で愛想がいいからほんとに女の私から見ても可愛いの。
たから誰からも好かれるし、人気があるんだ。
でも私は同じ顔してても無愛想だし、言いたいことすぐいっちゃうから人とすぐぶつかっちゃう。
だから友達少ないでしょ、私」

「はぁぁ。
菜月ぃ、あのね私からしてみたら菜月もめっちゃ可愛いの!
美月と双子なんだよ?

美月だけ可愛いわけないじゃない!
菜月は自分をわかってなさすぎだよ。

菜月は空気読みすぎて周りに気を使いすぎるくらい優しくて、私はさ、菜月が好きだから一緒にいるの!

ねぇ、やっぱり一度美月と変わってT高行ってみたら?

何かさ、変わるかもしれないよ」

千晴が放ったボールがゴールに綺麗に吸い込まれる。

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