彼女と私の見分けかた
***
額のキズは1週間ほどで抜糸できて、その間毎日服部医院に通院して、すっかり祥平くんの家族と仲良くなった。

朝はたっくんと祥平くんと一緒に登校して、毎日部活後デートを兼ねての通院。
幸せで楽しい毎日だ。

呼び方も、"服部くん" から"祥平くん" に変わり、私のことも祥平くんは "菜月" と呼ぶようになった。

くんづけで呼ぶことに祥平くんは少し不満そうだったけど、口ごもりながら火照る頬を自覚しながら名前を呼ぶ私に免じて

「可愛いから今はそれで我慢するよ」
と笑顔を向けられると、当分呼び捨てで名前を呼ぶのは無理そうだ。


そして、私も祥平くんも夏がはじまると同時に忙しくなった。

関東大会、インターハイ、夏期合宿。

去年まではバスケ一色だった生活に、今は祥平くんがいる。
彼の存在は私にたくさんのパワーを与えてくれる。

付き合い始めて調子を取り戻した私は、関東大会からスタメンに戻ることができ、今まで以上にスリーポイントシュートに磨きがかかった。

先輩たちも、祥平くんと私の付き合いを応援してくれて、忙しい中でも私たちの付き合いは順調だ。


関東大会は3位入賞し、インターハイは残念ながら2回戦で敗退した。
そして私は、敗退で引退が決まった白崎キャプテンから次のキャプテンに指名された。



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