彼女と私の見分けかた
美月はクラス写真に視線を移すと、私が会いたいと願う人を指差して

「この人は覚えておいてね。
私の左隣の席だから。

服部祥平、バスケ部だよ。

…モテてるみたいで、入学してから何度かコクられてるけど彼女はいない」

「美月…私…」

絞り出すよう口からでた声は震えていた。

美月に黙って美月に成りすまして会うのはやはりフェアじゃない。

「ん、何?

あっでね、この人!!
私の右隣席の叶くん!!!

格好いいでしょ!!

優しくてすっごくイケメン!

学年イチ多分モテる…」

だんだんと声が小さくなっていく美月の頬が赤く染まる。

「えっ!?
ちょっ、ちょっとまって…。

美月、席が隣になった今日お菓子を渡した美月の好きな人って…」

「うん、この人。
宮前叶くん。バスケ部。

二年からクラスが一緒になって。
服部くんと仲良くて一緒にいる二人を見てるうちに…叶くんが好きになってた」

美月の言葉に私は泣き笑いしながら

「やだぁ、もお!美月ぃ…」

と抱きついて安堵のため息をついた。
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