彼女と私の見分けかた
「菜月!
入れ替わるなんてまどろっこしいことしないで私、紹介しようか、服部くんのこと!」

興奮して私の手をぎゅっと握った美月が、頬を紅潮させて目を輝かせている。

「ううん、紹介はいい。
自分で頑張って話しかけてみるから。

ただね…。

女子校に行ったくせにすごく自分勝手だとは思うんだけど…。

服部くんの日常を見てみたいんだ。

学校でどんな風に友達と笑って、お昼食べて部活して。

一日一緒に過ごしてみたいんだ」

「うんうん。
いいよ菜月。遠慮しないで一日でも二日でも気がすむまで服部くんに張り付いてきなよ」

「ありがとう、美月」

私たちは、久しぶりに同じ部屋で一緒の布団に入りながら、服部くんと美月の好きな叶くんの話を一晩中語り合った。
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