彼女と私の見分けかた
がっくり肩を落としてさっきとはまるで違うテンションの俺にたくは信号がかわり渡る寸前に俺にぽそりとつぶやいた。

「なっちゃん、今日好きな人に会いに行くって言ってたよ。

毎朝見ているだけだった人に頑張って話しかけるんだってさ。
7時発東京行き。
3両目の背の高い人だって。

なっちゃんに宜しくね、祥平」

「はぁ!?」

それって…。

いや…まさか…。

「俺!?」

大声で叫ぶ俺を横断歩道を渡りきったたくが

「じゃーねー!」

と大きく手をふり笑っていて、俺も手を振りかえして

「ありがとう、たく!
気をつけて行けよ」

と大声で叫んだ。
< 45 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop