彼女と私の見分けかた
しっかし…。

双子なんだから当たり前だが、どこからどうみても、隣に座っているのは毎日顔を合わせている藤咲美月にしか見えない。

俺の視線に気がついた彼女が、何度もチラリと俺を見ては目を伏せて…。

…可愛いいなぁ。

よし、俺から話しかけてみるか。 

「「あの…」」

目がばっちり合った俺と彼女の声が被る。

なんだよ、息もぴったりじゃん。

ははっ。
たくが言ってたとおり本当に彼女は俺に会いにきたんだな…。

ほんのり頬を染めて直ぐに俺から視線を外した彼女が、俺を意識してくれているのがわかり、俺の顔がにやけだす。

「藤咲」

「はい!」

名前を呼ぶと直ぐに返事が返ってきて、何度も瞬きを繰り返しながら潤んだ目で見つめられて…。

ダメだ…。

今すぐ教室から連れ出したい…。

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