彼女と私の見分けかた
「嘘……」

ぐるぐる考えていた考えがまとまり、今日の待ち合わせは美月が行くべきだと、そうするべきなんだと自分の中で答えを出したのに…。

前から走ってくる人物から視線がはずせないまま、立ち止まった私は肩で息をして身動きができない。

走っていて呼吸も心拍数も上がっている上に、更に私の心拍数はどんどん上がっていく。

休みの時には、いつも走っているこのルートで彼を見かけたことなんて今まで１度もないのに……。

隠れる場所もやり過ごす場所もない。

朝陽を背にしている私の顔は、向こうからは眩しくてまだ認識できていないようでその姿がどんどん前から近づいてくる。

今、眼鏡をかけていない私は…。

彼にとっては毎日学校で顔を会わせている美月だ。

ダメだ…。

どんどん軽快なリズムで走ってくる服部くんが、立ちすくむ私に気がついて、大きく目を見開き数メートル先でピタリとその足を止め私と同じように動かなくなった。
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