彼女と私の見分けかた
「お、おはよう」

どうにかこわばる顔に笑顔をつくり、服部くんに挨拶をする。

「ぐっ偶然…だね…。
こんなところで会うなんて。

家近いんだ。
私は一時間くらい走ってきたかな」

無言で固まったままの彼に

「服部くん…?」

恐る恐る名前を呼ぶ。

「あっ…えっと…ちょっと待って…。
心の準備ができてない…
なんでこんなとこで会うんだよ…」

私の呼び掛けに弾かれたように動いた彼は、少し顔を赤らめて目を反らし、口元を手で覆い狼狽えている。
< 73 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop