彼女と私の見分けかた
「えっと…あーーっ」

前髪をくしゃりとにぎり、深呼吸した服部くんは私とようやく視線を合わせ

「朝しか…会えないと思ってた…。電車以外の場所で会えるなんておもってなかったから動揺した。ごめん」

「えっ?えっと…」

今度は私が動揺する。

今…何て言った?

電車以外の場所って言わなかった?

「えっと…電車って……」
 
探るように聞き返すと

「あっ……」

服部くんは口元をもう一度手で覆い空を見上げ肩を落としてため息をついた。
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