彼女と私の見分けかた
「あーっ……ほんとはあとで会った時に言うつもりだったんだ。
俺は……」

真剣な眼差しが私を真っ直ぐにみつめる。

言葉を一度きった服部くんは、大きく息を吸い込むと

「好きなんだ…付き合ってほしい」

くしゃりと表情を崩して笑った顔は少年のようで可愛らしい。

「…っ!」

何て言ったの今…!?

頭の中が真っ白になる。
誰のことが…好き…なの?

美月…?それとも私…?

聞きたくても喉の奥に声が張り付いて声を発することができない。
声の変わりに涙が勝手に頬を伝っていく。

胸が痛い…。

うん、聞くまでもなくこれは私が聞くべき告白じゃない。

「ごめっ…ごめんなさい…。
ちがっ…ちがうの…。私…ちがう…ごめんなさい……」

うまく言葉がでてこない。
私は美月じゃない、美月とは実は双子で私は菜月なんだと伝えたいのに、口からは謝罪の言葉と嗚咽だけがもれて…涙で霞んで服部くんの姿がぼやけて見えた。
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