彼女と私の見分けかた
「…とりあえず、10時に駅で待ってる。

デートしよう?
今度は藤咲のふりしてない菜月ちゃんと話して一緒に過ごしたい。

それで…帰る時にさっきの返事してほしい。

なんか唐突にごめん。
うん、でももう一度言っとく。
俺…菜月ちゃんのこと好きだから」

服部くんの言葉に真っ赤になったまま、私の思考回路も身体も固まって…。
そんな私を見て服部くんが…叫んだ。

「あーーっ!!
ダメだっ恥ずっ!
何いきなりコクってんだ俺っ!

心の準備ができてねえーよっ!
待ち合わせまでに気持ちおちつかせたくて走りに来たのに…余計に緊張して…落ち着かない…。

あー…うん…。

とりあえず俺帰るからっ!

あとで…待ってる!

あとで会うまでにもう少し、俺もちゃんとしとく。
っていうか落ち着いとくから。

待ち合わせ…来て…くれる…よね…」

だんだんと小さくなっていく声に慌てて頷くと、服部くんはにかっと笑い

「じゃあ、またあとで」

くるりと背を向けてもときた道を走っていく。

私も…帰らなくっちゃっ!!

同じように背を向けてもときた道を走りだす。

すぐに…そっと後ろを振り返ると同じように振り向いた服部くんと目が合って…お互いに…小さく手を振った。
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