彼女と私の見分けかた

告白～祥平～

今日の彼女との待ち合わせに、全然落ち着かなくて、朝早くから目が覚めた俺は、いつもより30分早くいつものランニングコースを走り出した。

頭の中はずっと彼女のことばかりで、すべてが上の空で足だけがひたすらいつものコースをたどっている。

まず、彼女に…会ったら…どうすればいい？

昨日学校で、彼女に話したいことがあるからと駅での待ち合わせの約束をとりつけた。

ん？違うか！！
都合も聞かずに一方的に待ってるからって言ったんだ俺！！！

来て…くれるのか…？

なんか…焦っていろいろ空回り…してるな…俺…。

朝陽に目を細めなから、清々しい朝の空気が一気に俺の周りだけどんより淀む。

しかもっ！
藤咲が来る可能性もなくは…ない。

俺が勝手にした約束は、藤咲美月として学校に来ていたなっちゃんに言ったのだ。

「やべぇ…。
なんか俺…いろいろ間違えたかも…」

走りなから頭の中は彼女のことでいっぱいで。

ついに目の前に彼女の幻影まで見えはじめて…。

寝不足の頭をスッキリさせたくて、高ぶる気持ちを落ち着かせようといつもより早い時間に、早いペースでランニングにでたのに…。

冴えてきた頭はどんどんマイナス思考に陥り、俺のテンションは下がっていく。

しまいにはなっちゃんまで見える始末。

重症だな。