彼女と私の見分けかた
汗…すごいな。
とりあえず、シャワー浴びて。

もう一度ゆっくり、さっきの彼女とのやりとりを思いだそう。

かなり…幻滅されただろうな…。
うっすらと思い出す自分の言動は、しっかり思い出したくないくらい…恥ずかしい…。

「お帰りなさい、祥平。
今朝はずいぶん早いじゃない」

「あぁ…うん…おはよう」

玄関を開けると母さんがリビングの扉から顔をだした。

「今日は部活だったっけ?」

「いや、休み…でも、出かける」

「今日もまた叶くんと遊ぶの?ふぅ。祥平もたまには女の子と遊びに行ったりしないの?
パパに似てイケメンなのに…」

休みの度に、叶と遊ぶ俺に、ため息をつきながらぐだぐだ言う母さんの愚痴を途中で遮り

「叶じゃない。……デート…」

母さんの言葉を訂正して逃げるように脱衣所のドアを閉めた。

「パパーーっっ!!
大変っ!!早く起きてっ!
でっデートっ!!
祥平がデートだって!」

母さんの大声が家中に響き渡る。

うわっっ!恥ずっ!

朝っぱらから大声で叫ぶなよ…ほんと、恥ずかしい…。

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