彼女と私の見分けかた
近所に聞こえるだろ…。

トランクスに手をかけたところで勢い良く脱衣所の扉がひらかれる。

「うわっっ!」

驚く俺にお構いなしに、母さんはじろじろ見ながら俺の胸筋に手を伸ばす。

「あらっ鍛えてるだけあっていい身体してるじゃない。
祥平、いい?高校生なんだから健全なお付き合いしてちょうだいね。
早く、家にも連れてきて母さんに紹介してね」

「なんだ?
祥平、やっと彼女できたのか?

俺に似てイケメンなのにおせーぞ祥平。

早く手ぇだしてそのまま卒業したら嫁にしろ!

俺は娘がほしかったんだけどなぁ。

はぁ…男ばっか生まれやがって…
早く嫁でいいから娘作ってくれ。

うん、女の子、孫は絶対女の子だな」

「……」

相変わらず…妄想すごいよな、二人とも…。

ちっとも脱衣所から出ていかない両親にうんざりしながら、仕方ないのでそのまま風呂場に逃げ込み、トランクスは風呂場で脱いだ。
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