彼女と私の見分けかた
ニヤニヤする弟たちと、興奮して俺にまとわりつく両親をうまくかわして、早めに家を出る。

すぐに隣の家のおばちゃんたちとばったり会い

「おはよう、祥平くん。
相変わらずイケメンね~。
今日はデートなんでしょ?楽しんできてね。いってらっしゃ~い」

と生暖かい眼差しで見送られる。

やっぱり近所に丸聞こえじゃん…勘弁してくれよ…母さん…。

顔を赤くして頭を下げる。

「おはよう…ございます。いってきます…」

目を伏せたまま自転車にまたがると、恥ずかしくて、すぐにこぐスピードをあげた。
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