彼女と私の見分けかた
好きな女の子と二人で出かけるのは初めてだ。

いや…デートも初めてか。

まだ付き合ってはいないけど…デートだって菜月ちゃんに言ったよな俺…。

手…ぐらい繋いでも…大丈夫…だよな…たぶん…。

叶に聞いとけばよかったな…。

どんなタイミングで手を繋いでOKなのか…。

その先は…。

キスって…いつ…どんなタイミングでして大丈夫なんだろうか…。

ごくんと唾を飲み込んで…頭に浮かぶ菜月ちゃんを頭を左右にふってその可愛らしい姿を追い払う。

俺も…この妄想癖は親譲りだな。

苦笑いしながら電車に跳びのり、待ち合わせの駅に向かった。

あと少し。

もうすぐ…菜月ちゃんに会える。

とりあえず手は…繋ごう。

うん、デートなんだから大丈夫…だよ…な?

待ち合わせ場所には30分早く着いて、彼女が来るのをドキドキしながら楽しみに待つつもりだったのに、改札を出ると、菜月ちゃんが駅に向かって歩いてきて

「…30分前…。気が合うね」

顔を見合せて二人で笑った。
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