彼女と私の見分けかた
それからは…美月の着せ替え人形だった…。

洋服も、髪も、顔も…全部美月の手で仕上げられて。

「うん、可愛い可愛い。
これなら服部くんもますます菜月に夢中になって、思わずキスしたくなるよ!うん」

ぎゅっと抱きつかれて私の体温が急上昇する。

思わず、服部くんに抱きしめられてる想像をして、昨日頬に触れた大きな手を思い出してさらに私の顔は熱をもった。

落ち着かなくて…

「まだ全然早いよ?」

とくすくす笑う美月のからかう視線に耐えられなくて、私は待ち合わせ時間よりかなり早く家をでた。

そわそわして…落ち着かない。

女子高通いの私が、同年代の男の子と過ごすのは中学以来だ。

うん、昨日ももちろん、美月の学校に行って落ち着かなかった。

好きな人が同じ空間にいるからなおさらだ。

緊張して…美月になりきるつもりだったのに…思わず全力でバスケをしてしまい、気がつけば優勝していて目立っていた。

美月に謝ると

「うん、大丈夫。クラスのみんなには打ち上げでばらしといたから心配しないで」
と笑っていた。
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