彼女と私の見分けかた
中学の時の出来事が脳裏に浮かび吐き気がする。

二人の様子を黙って傍観していたが、私はまだ服部くんに自分の想いを伝えてはいない。

「嫌だ…っ! だめっっ!」

私がかけよるのと服部くんが美月の手を払いのけて立ち上がるのは同時だった。

振り向いて私に向けた彼の目は氷のように冷たくて、駆け寄った私はそのまま動けなくなり身体が強ばった。

彼は明らかに不機嫌で怒っていた。

「…服部…く…ん…」

喉の奥に張り付いた声をどうにかしぼりだし、呼び掛けた声は震えていた。
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