失った恋と捜し続ける恋、背中合わせの夜



「ええ。女性は体、冷やしてはいけないんですよ。」

『でも、そっちのほうが濡れてるから早くしないと風邪ひくよ。』

「大丈夫です。」


そう言いながらかすかに震えている男の体。


こんな会話のやりとりを繰り返しそうだとふんだあたしは

『ばかっ!風邪は万病のもとなんだから!』

と、彼が来ていたパーカーを無理やり脱がせた。


結果、がっちりとした上半身裸の男、目の前にあり。
目を見開いて驚いた表情にもあたしの胸をぎりぎりさせる色気あり。

コポコポとお湯が溜まりかけていたバスタブ。
そこからうっすらと立ちのぼる湯気によって


『こうなったら、お風呂入るよ、一緒に。』

「・・・・?」


サイテー女であるあたしの中で変なスイッチが入った。





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