失った恋と捜し続ける恋、背中合わせの夜



ボコボコッ、ボコボコッボコ


あたしたちの動きが止まったせいなのか
ジャグジーの泡があたし達の体に激しくぶつかる音が浴室内に響き渡る。


やっぱり目の前のこの男も
たった一夜の男


この先は
あたしのことをただ快楽を得るためだけに使うんだ


それでもいい

不倫という許されない恋を終えた今日なら
そんな抱かれ方をしてもいい


むしろ自分からそれを望んで
この男を拾ったんだ


無茶苦茶に
ぼろぼろに
むさぼられるように
堕ちるところまでおちてしまえば

いつか許される日がくるかもしれない


そのために
見ず知らずの
ついさっき道端で出逢った、拾ったばかりの
おそらく年下の男の手によって
容赦なく地獄へつき落とされてしまえばいい



そう思っていたのに



『・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・・あ、、ん』



あたしの

首筋に

鎖骨に

鎖骨の下にある小さなほくろに

ちょっとぷよつき始めた二の腕にまで


目の前の男は

そっと
ワレモノを触れるかのように
優しく
ゆっくりと
唇で触れた。


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