失った恋と捜し続ける恋、背中合わせの夜


世間的に間違っていたあたしの恋のせいで
でこぼこになったあたしのココロを
なだらかにしてくれるようなそんなキス。


そんなキスにココロの快感をくすぐられ始めたあたしは
体をよじってジャグジーバスにやっとのことでもたれかかる。

そんなあたしの背中の至るところにまで
優しいだけでなく、切なくなるようなキスをゆっくりと落とし続ける彼。



さっきの唇同士のキスを拒んだ彼なのに
ただ本能に従って快楽を求めて、あたしを抱こうとしてるだけだと思っていたのに

なんでこんなことするの?

あなたはあたしのことを知らない
あたしもあなたのことなんて知らないのに


ズブ濡れだったあなた
あたしよりも傷ついているように見えたあなたを助けることで
自分の犯した罪を償おうとしたあたしなのに

あなたの優しいキスのひとつひとつで
でこぼこだったココロの隙間を優しくなだらかにされている


なにがあなたをそうさせているの?
過ちを犯しそうだったあなたになにがそうさせているの?


知りたい

感じたい




『お願い。抱いて。』

「・・・・・・・」

『お願い。スキに、めちゃくちゃにしてもいいから。』

「・・・・・・・」

『レイって、あたしの名前を呼んで、あたしだけを抱いて。』


あなたのココロの中に他の誰かがいても
あたしだけを抱いて

ただ、今という時間だけでもいい
あたしだけを感じて欲しかった

例え間違った恋を再び繰り返して地獄へ堕ちてしまっても。



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