失った恋と捜し続ける恋、背中合わせの夜

意味不明
理解不能

勝負とか何、それ


『サッカーW杯予選じゃないんだから。』

「俺的にはそれぐらい重要!もうそろそろ勝負しないと、手遅れになるって昨日わかったから。」


彼が言っている意味がわからないまま
ついさっき彼が選んだ部屋の中に取れこまれたあたし。


『手遅れって?』

「そのまんまの意味。」

『ラブホで手遅れの意味がわからない。』

「もう昨日の夜みたいな想いをしたくない。」


昨日泊った部屋と同様
ベッド周囲は鏡張りになっているこの部屋。

昨日泊った部屋と異なるのは
ベッドの形。

昨日は四角形。
今日はというと円形。
しかもぐるぐる廻る機能が付いていそうなヤツ。

昨日よりも今日のほうがラブホらしいベッド。

そんな部屋の中で昨日の同じ衣服のままのふたりが
鏡にはっきりと映し出されていて。


『まさか・・・』

「俺がどれだけ本気か、理解してもらう。」

『本気って・・・』

「理解させてやる。」


昨日は自分から浴室に直行したあたしが
今は昨日とは異なる男にベッドに座らされている。

普段はお調子者だけど
仕事はてきぱきこなす
上司からは信頼が厚く
後輩からも可愛がられている

同期の仲間という存在ではサイコーにいいヤツである
そんな藤崎に。

『・・・んン・・』

まっすぐに唇にキスを落とされた。


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