失った恋と捜し続ける恋、背中合わせの夜


ホテル入口のきらきら輝くネオンの前で
初めて彼の顔をまじまじと見た。


目が淀んでいる。
何かをあきらめたような表情。

でも、明らかに整った顔立ち。
多分、周囲の人達からはイケメンと言われているであろう。


『ほら、つべこべ言わず、行くわよ。』

「・・・・・・・」


不倫という名の不毛な恋から強制排除されたあたしに怖いもの、そして失うものなんてもう何もない

目の前の、あたしよりヤバそうなイケメンをなんとかしなければという使命感だけが
あたしを突き動かし、彼の手を無理矢理引き寄せた。



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