世の中、甘くはないのですよ?
「そんな風に見つめられると、意地悪したくなるものだよ?お嬢様はそんなこともわからないのですか?」

「そ、そんなこと……んんっ!」

顔を真っ赤にして反論しようとすると、大河にキスをされて唇を塞がれる。息が苦しくて口を開けると、入り込んでくるのは大河の舌。熱く、絡められて完全に逃げ場を失う。

「んっ……ふっ……」

体中の体温が上がり、痺れていく感覚がする。抵抗したくてもできない。ただ、大河に身を委ねる。こんな強引なキスが嫌ではない。もっとと体が求めている。

意識が飛びそうになった刹那、唇が離される。ハアッと荒い息をする私を、満足げに大河は見つめていた。

「こんな顔をして可愛いね。意識飛びそうだった?お嬢様はこれで満足しているかもしれないけど、俺はまだまだ満足しないから。……もっと満足させてよ」
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