きっと貴方は………好きになる
「お前…………泣いてる?」

直ぐ近くまで近づいた響は………

私の表情を見て驚いている。

「泣いてなんかないよ。
色々考え事をしてただけ。
春になったら、受験生でしょ?
だから…………。」

さっきまで大丈夫だったのに…………。

響と会話した途端…………涙が溢れてきた。

うぅ……………。

泣きたくないのに……………。

涙を止めようとすればする程……溢れてくる。

目の前まで来た響は………

ポケットや鞄を、ゴソゴソした後。

スポーツバッグから取り出したタオルを匂って………

「ちょっと………臭いかも………しれないけど………」と言って。

スゴスゴ差し出した。

…………………………プッ。

アハハ……………フフフ…………アハッ。

あれほど泣いていた涙はおさまり……

笑い声が出てきた。

「………もぅ~
響はぁ…………。
笑わせないでよぅ。」

文句を言ってみるけど………助かった。

こんな泣き顔で帰ったら、祥兄ちゃんを心配させちゃうもんね。

泣き笑いの顔の私に、何を言ったら良いのか迷った響は………。

隣のぶらんこに腰かけた。
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