きっと貴方は………好きになる
「和花、お待たせ。」

朝も帰りも………響と一緒。

たまに夏生と三人になるけど………

ほぼ二人。

『逃した魚が大きかったことを………教えてやるんだ。』って響。

そう言われると………

勝手に『彼氏』の噂を流されたことが怒れない。

心配性の二人が流したデマは

尾ひれをつけて、学校中を駆け巡ったのに………。

でも………。

響を思っている子はいるはずだし。

響だって……………これから恋をするから。

いつまでも、デマで縛るわけにはいかないんだけどね………。




入学を決める時。

お母さんを説得する為に言った『恋をしたい!』って言葉を

まさか響と叶えることになるとは………。

現実の恋はもちろん祥兄ちゃんだけど……

響と仮恋人………実行中。

今日も帰りに本屋に行って

マックでポテトとシェイクを食べて

お家に送ってもらったの。

あの日以来、塾も辞めちゃったし

時間がたっぷりあるんだよね~

「週末は、誠先生の家に行くよ。
姉貴のデートを邪魔するから。」って、予定を告げる響。

シスコンの響に付き合って

恋人達のデートを邪魔するのは気が引けるけど。

休日に祥兄ちゃんと一緒にお家にいるのは辛いから………

『ごめんなさい!』と、心で謝って

「うん、分かった。」と返事をした。

澤先生にも

『留学します!』と宣言して。

高校時代に

なるべくお兄ちゃんと同じ空間にいないようにしたの。

留学まで逃げ続けるのは大変だけど。

留学して一年離れたら………

さすがに諦めもつくと思うから。

それまでは、みんなを巻き込んで………頑張るんだ。

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