きっと貴方は………好きになる

嫉妬??

『期待したらダメ。
失恋したんだから…………。』って思うのに…………。

あんな表情を見ちゃうと…………期待しちゃう。

こんなに揺れてちゃ、ダメなのに………。

でも

無理に諦めることは、しなくても良いのかなって………

響に言われて………ちょっと考えている。

響には申し訳ないけど………

もう少し傷が癒えるまで、付き合ってもらおうかな?

今日みたいに

お兄ちゃんと自然に話せるようになるまで………。



「和花、帰ろう!」

あれから一緒にお昼を食べて

後片付けを終えると、響が声をかけてきた。

お兄ちゃんとお義父さんも一緒だから

みんなで帰るって思っていたのに。

「えっ?!
帰るの??」

驚く私に

「姉貴の邪魔は
ここに二人いるから大丈夫だろう?
それより、もう少しで春休みだから『旅行に行こう』って言ってただろう?
帰りに旅行会社に寄って
パンフレットを貰いに行こう。」

………????????

旅行??

誰と誰が???

もしかして、夏生と三人で?

言ってたっけ??

キョトンとする私の腕を引いて

来た時と同じように、ドアに向かった。

………………ガタン!

ガチャガチャ…………。

物音にびっくりして振り向くと

飲んでいたコーヒーを倒して………お兄ちゃんが私の腕を引いたの。

「…………旅行?
誰と誰が行くって?」

前に一度だけ聞いた低い声で………響に話しかける。

……………怖い。

単純にそう思ってしまった。
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