きっと貴方は………好きになる
「祥太先生の妄想は、後でゆっくりやりな!
それより………和花は、行きたいの?行きたくないの?」

ラズベリーの赤が良く似合う

大人びた顔で迫ってくる夏生。

…………そりゃあ、行きたい………けど……………。




夏生が迫っているのは

春休みの計画。

前に、マコちゃんの家に響と行った時の喧嘩の原因。

あれから夏生に全てを話して

お兄ちゃんと響とマコちゃんが怒られて……………うやむやになっていた問題。

別に私が行きたくてパンフレットを貰うつもりじゃなかったから。

どっちでも良かったんだけど…………。

『仲直りする為に、みんなで行くよ!!』って夏生に聞かされて

行きたい気持ちが………グン!!と傾いたの!




でも……

こっそり好きでいるって、決めたばかりなんだけどなぁ~。

夏生には、バレバレ。

全てお見通しらしい………。

行きたい気持ちいっぱいだけど………

応援する気満々の夏生が側に居て

この間みたいにならないかな?

私のせいで、これ以上マコちゃん達に迷惑かけたり。

祥兄ちゃんを責めるようになるのは……嫌なんだけどなぁ……。




「行きたいけど……………」

そう言ったまま止まってしまった私に。

「ヨシッ!
だったら行くよ!!!
そうと決まったら………………」

そう言うと、携帯片手に部屋から出て行った。

………………………………。

相変わらずの行動力に

何も言えない私と響。

半分食べかけのケーキを

ツンツンつついて、時間を過ごした…………。
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