きっと貴方は………好きになる
「それじゃ、お願いします!」

何処にかけたのか、電話を終えた夏生が帰って来ると。

「ここにした。」と言って、一枚の古い紙を握っていた。

パッと広げた古いパンフレット。

それは……………

幼い私が、よく行った動物園の物だったの。

「懐かしい?」

夏生の質問にコクンと頷くと。

「そうだよね。
だってここは、和花と祥太先生の初デートの場所だから!」って

いたずらっ子の笑顔を見せた。

「初デートって……。」

苦笑いの私に

「初めて行ったのは、3歳って
一花ママが言ってたよ。
二人にとって、大切な思い出でしょ?
もう一度、そこからやり直してみたら?
思い出と今との違い。
そんなことすら分からない奴だったら………
一旦離れて、淋しい思いをさせたらいいよ!
どうせ和花以外と生活なんて出来ないんだから。
1年留学して帰っても
何も変わらず、淋しさから老けたオジサンが居るだけだよ。」

そう言ってケラケラ笑った。
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