きっと貴方は………好きになる

お誘い

そんな訳で、只今絶賛取り組み中。

マコちゃんのお家を飛び出して以来

またまた避けていた、祥太兄ちゃんに近づくのは…………

かなりのハードル。

こんな事なら

夏生達が来た日に

ケーキの差し入れ買っとけば良かった……………。

後悔って………つくづく後からするものなんだと……

実感させられる。



「ねぇ~
パパぁ~」

いつもどころか……………

生まれて数年の間しか呼んだ事のない呼び名。

自分でも気持ち悪いって………思うよ。

けど、背に腹は変えられない!

どうにかして、祥太兄ちゃんの気を引いて

話しかけないと!!

それには

私が生まれてからずっと、お兄ちゃんと二人で取り合ってくれた

お義父さんの存在が一番!

ほらっ…………

ソファーに座ったお兄ちゃんが………

チラチラこっちを見てる。



「何?!
和花ちゃん、何々??」

嬉しそうなお義父さんを利用するのは気が引けるけど………

二人の『宿題』がかかってるんだもん。

『ごめんね!』

心の中で謝って………

「春休み………遊ぶ約束が入ったんだけど………
お小遣いが足りないの…………。
アルバイトを…………」

そこまで言うと「「ダメだ!」」と

隣とソファーから否定の声が聞こえる。

でしょうね!

分かっていて言ったけど………

ここまでハモると笑っちゃう。

「……………そうなんだよね~
だから……………
お小遣いを…………少しだけ…………」

そう言うとニッコリ笑って

「なんだぁ~
お小遣いのおねだりかぁ~
ヨシヨシ、いくらでもいいよ!」と直ぐに立ち上がって

財布を取りに行ったの。
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