きっと貴方は………好きになる

本格的に留学を決めた私は………

夏休みの出発迄にやることが、山のように出来た。

勉強はもちろん。

荷物の用意に……進路相談。

帰って来たら三年生になってるから………

ある程度決めておかないといけないんだって。

進路相談って………

早すぎて想像も出来ないけど………仕方ないよね。



「……………で？
和花は、進学希望だろう？
何かやりたいことはないのか？」って

澤先生に聞かれるけど………

失恋して、半分やけくそで決めた留学の先に

やりたいことなんて………あるわけない。

澤先生だって、そんな事分かってるから………

「まぁ……夏休み迄３ヶ月あるから。
それまでしっかり悩め。
もしかしたら祥太が心変わりして……
和花を嫁に欲しいって言うかもしれないしなっ！」って………

今の私には、傷口に塩を塗り込むようなセリフを吐いてくれる………。

「……………意地悪過ぎ………！」

すっかり拗ねた私の頭を

動物園の時と同じように

ポンポンと撫でて。

「祥太は………俺達より淋しい幼少時代を過ごしてきた分
人を心から信じれないんだ。
もしかしたら、初恋すら………まだかもな。
図体は大人の男だが………
精神年齢は………和花より年下だぞ。
夏生は………
アイツも同じような環境で育ったから………
祥太を見てるとイライラするみたいだけどな。」って

進路指導とは違う、プライベートな話を始めた。

夏生の家族事情なんて知らなかったから……

ちょっとびっくりしたけど。

それよりも聞き捨てならないのは………