きっと貴方は………好きになる
ピンポン!

玄関のチャイムが鳴って

「和花~
夏生ちゃんよ~!」と

小学生のようなかけ声のお母さんの後に

コンコンとドアがノックされた。

「和花~
…………私。
入って良い??」

約束なしで夏生が来るのって………珍しい。

っていうより………初めて??

「どうぞ~」

笑顔でドアを開けると

「和花、出かけるから支度して。」って

有無を言わさずタンスの前に連れて行かれた。



…………????

何処に何しに行くの??

訳がわからず

「ちょっと夏生。
落ち着いて。
先に何処に行くのか教えてよ!
何を着たら良いのかも分かんないよぅ~」と抗議すると

やっと少し落ち着いた夏生が

「…………ごめん。
ホテルに…………行く。
あのね…………
祥太先生が………デートするみたいで………。
だから………邪魔しに…………」

「……………なんだぁ~
お兄ちゃん……………彼女がいたんだぁ~
そっか…………そっかぁ~
…………うん。
良かったよ………………。
これで安心して…………留学………できる……………。」

夏生を困らせたくないのに…………

涙が溢れて止まらない。

「…………和花…………。」

ヨシヨシって頭を撫でてくれる夏生に甘えて………

今はいっぱい泣くことにした。

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