きっと貴方は………好きになる
「えっ~と……。
この公式を当てはめて……………
あれっ??
違ったぁ~
…………う~ん……………。」

苦手な数学と格闘中の私の向かいで

パソコンを打つ音を響かせる祥ちゃん。

わざと少し大きめな声でSOSを訴えてるのに………

全くと言っていい程こっちを見てくれない。

昔は

ちょっと『分からない』って呟いたら

『どうした~?』って見てくれてたのに………。

彼女より、姪で妹の方が格上なの??

答えとは言わないけど………

せめてヒントくらい欲しい私は。

子供みたいなワガママだけど………

「祥ちゃんの意地悪!!
いいもんね!
マコちゃんに教えてもらう。」と言って

机の上の荷物を片付け始めた。

ガタガタ音をたてると、ようやくチラリと目だけを寄越して。

「和花~
誠は菜緒ちゃんと旅行中だぞ~」と………。

えっ?!

旅行中!!

二人っきりで???

まだ高校生の菜緒さんと??

…………………。

キャー!!!

エッチ~!!!!!!!!!

片付けの手を止めて、真っ赤になっていたら………。

パソコンの手を止めて。

クスクス笑らいながら右手を伸ばして、頭をポンッと叩いた。

「………何を想像してるんだよ~
顔が赤いぞ。
和花も、そんな想像をするくらいには………
大きくなったんだなぁ~」

私が想像したことがバレて

益々顔を赤らめ、下を向いていたら………。

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